2009年4月30日木曜日

歌舞伎座へ2

先週、歌舞伎座夜の部へ行ってきました。

演目の中のひとつ「郭文章 吉田屋」。
何回か観た事があったので、ワクワク指数はかなり
低かったのですが、今回は終始すっかりとはまりました。

商家のぼんぼん伊左衛門は花魁夕霧に現を抜かし、勘当の身。それでも会いたい気持ちを抑えられず、紙で作った着物といううらぶれた姿で夕霧のいる「吉田屋」を訪れます。二人の再会が伊左衛門の愛らしいしぐさで綴られる狂言です。

夕霧は実在した花魁で、早かった死を惜しまれたそうです。
今回演じた玉三郎さんはまさにニン。今でも消え入りそうな美しい夕霧。前回観た時は仁左衛門さんだけが浮き上がった感じの芝居で消化不良気味でしたが、今回は仁左衛門さんの素晴らしい演技も一層輝いていました。
これが歌舞伎の面白いところです。同じ狂言を何度観ても役者さんの演技と座のバランスで違う楽しみができるのですね。それが江戸の頃から長い間受け継がれ続け愛されて来た理由でしょうか。

そうそう京都の井筒八ツ橋本舗に
「夕霧」というお菓子があるんですよ。
その中に夕霧が伊左衛門に宛てた手紙が入っていて、それを箪笥に入れておくと着るものに困らない。といわれているそうです。(ところが昨年取り寄せた時、入っていなかったのは変わったのか、はたまた運が悪かったのか・・)

今回も着物を着て行きました。
白大島に母譲りの織りの帯で。

0 件のコメント:

コメントを投稿