2009年4月5日日曜日

南蛮菓子を訪ねる


最近南蛮料理、特に南蛮菓子が気になって
スペインやポルトガルのお菓子と日本の
お菓子の関係、その歴史を紐解いています。



先週、妹のいる佐世保に1週間行ってきました。

それで、今回は一人で平戸まで足を伸ばしてみました。南蛮貿易の一大拠点だった平戸には
南蛮菓子「カスドース」があるんです。

佐世保からバスで80分。
サンフランシスコのゴールデンブリッジを
彷彿させる赤い橋平戸大橋を渡たるとそこは平戸。

まずはカスドースを食べに
「蔦屋」の茶寮へ直行しました。



ここには江戸時代の復元菓子など
平戸松浦家にまつわる素敵な伝統菓子が!



一番手前がカスドースです。
カステラを小さく切り卵黄に浸し、蜜にくぐらせ揚げ、
グラニュー糖をまぶしたポルトガルからやってきたお菓子で、当時は平戸藩門外不出。殿様しか食べられなかった贅沢なものだったそう。
私は好きです。緑茶と相性良し。
卵黄と蜜、まぶしたグラニュー糖というところは
スペインのジェマスというお菓子とまさに同じ!

後ろは平戸藩松浦家に伝わる「百菓乃図」の復元菓子「烏羽玉」。これも松浦藩主の「お留め菓子」。
和三盆をまぶした求肥玉の中に黒ゴマ餡が入っています。
うわっ。。美味。。和三盆の甘味が上品です!

中央のお皿には「牛蒡餅」。
これも歴史の古いお菓子で、平戸では慶事や法事に「お配り菓子」をする風習があり使われていたものだそうです。
ごぼうに似ているのでこの名前がついたのだとか。
茶道でも名高い平戸藩。茶菓子として使われた時は茶席で亭主が切り分けて客に供するというユニークなもてなしだったそうです。
米粉で作ったもっちりとした食感がういろうのようです。



この茶寮。落ち着きます。
まだ雛壇が飾られていました。



店内にあった業務用オーブン。
これは福岡で製造している「南蛮窯」。
可愛らしい赤とこのネーミングが一目惚れ。



平戸はフランシスコ・ザビエルが愛した地とも
言われています。
日本で初めてザビエルの布教が許された地でもあります。

お寺を通り過ぎて、長い石畳の階段をあがると
ザビエル記念教会があります。

海が見える風景は
ザビエルが育ったナバラ(今のバスク)の
風景に似通ったところがあるかも。。と
しばし遠きかの頃に思いをはせました。
晴天に恵まれ、美しい海と桜や春の花。
そこにまたうぐいすの声。とても穏やかな気持ちになりました。

実はここで携帯(カメラ)のバッテリーが
見事になくなったのでした。
またやっちゃいました。。。はぁぁ。。



その後「湖月堂」へカスドースを買いに行きました。
こちらのカスドースは蔦屋よりも小さいので食べやすく、また違ったおいしさです。

松浦史料博物館にも行きました。
思ったよりもたくさんのものが展示されていて見応えがあります。
帰りの時間が迫っている私はしごく急ぎ足で。。。
もう少し余裕を持って見たかったとちょっと後悔。
南蛮貿易の中心地であった様子が分かる資料の数々。華々しい松浦藩の大名調度品。戦国絵巻に「百菓乃図」!
あるわ。あるわ。。
松浦家の歴史は平安時代に遡るそうです。なんと初代は「源氏物語」の光源氏のモデルになった人なんですって!!

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