2011年10月8日土曜日

修道院のお菓子 トレド#1


すっかり秋めいて、キンモクセイの香り漂うひんやりとした空気が気持ちいい季節ですね。
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週間ちょっとスペインに行ってきました。昨年の大変な娘のお産からもう1年半。久々のスペインです。



今回はリアルタイムでブログをアップできませんでした。それで日々を遡りながら備忘録を兼ねて記していこうと思います。



さて、今回の滞在の大きな目的のひとつは「修道院のお菓子」。もう何十年も前からずっと大切にしてきたテーマのひとつです。日本に戻って来た頃はあまりにも素敵な日本のお菓子・・洋菓子はもちろん和菓子も含め洗練された味と姿に心奪われておりました。でもスペインのお菓子がなつかしくなんとも愛おしい今日この頃。
・・と言っても、スペインのお菓子って知れ渡っていないですよね。。他の国のように大して進化もせず、味も姿も昔から変わらない・・ぱっとしない素朴なものが多いんです。でもそこが好き。実はスペインのお菓子のほとんどが遠い昔に修道女が作り始めたもので、今でもその味が受け継がれているんです。

修道女たちは今でもお菓子を作っています。それも修道院のものというと美味しいと評判のものも多く、スペイン人に尊ばれています。
短い期間、スペイン全国周れないのが口惜しいですが、今回はいくつかの修道院のお菓子を訪ね歩きました。



スペインに着き娘家族とのうれしい再会。翌日、婿ラウルが仕事を休み好きな所へ連れて行ってくれるというので、迷ったもののトレドにしました。私にとっては20年ぶりのトレド。そこにはどうしても食べてみたい修道院のお菓子があるんです。



 

 


トレドは世界遺産として名高く、マドリッドが中心地となるまで都だったこの古い町はまるでその時間がとまったかのように昔のままの姿を留めています。



トレドの話をすると長くなりそうなので、修道院へ。
旧市街はまるで迷路のよう。

 



旧市街にある「Convento de San Clemente
聖クレメンテ修道院。
13世紀からの長い歴史を持つ修道院です。
“Mazapan“マサパンというお菓子がここで生まれたと言われています。

 

マサパンはアーモンドパウダーと卵とお砂糖で作るお菓子で今はこの町の名物として名高いのです。なんというかアーモンドで作ったおまんじゅうみたいなもの。その昔、修道女たちのこのマサパンがトレドの飢饉を救ったという言い伝えもあります。
何百年も作り続けているというそのマサパンが食べたい!




 
裏にまわると重々しい木のドア。ここが修道女と私たちの唯一のかけ橋の場です。修道院のお菓子を売る場所には珍しくドアにはマサパンのポスターが貼ってありました。多くの修道院が地味に活動しているのでポスターなどそう貼ってあるものではないんですが。。。トレドは観光地なので仕方ないか・・



時間になるとドアを開け放してくれます。中に入ると、小さな売店になっていて、なんとまあお菓子の種類が多いこと。マサパン以外にも美味しそうなお菓子がたくさん。



 








私が試したのはこの3つ。

月の形のMazapan マサパンです。これぞ元祖さま。アーモンドの香ばしさとしっとりとした生地。クリスマスに食べるお菓子でもあります。

 

色々な可愛い形のマサパン。草木などの自然のものを象っています。



“Empiñoadas ”エンピニョナーダス、マサパンに松の実をまぶしたお菓子。

 

 
この修道院にはカトリックの小物も売っています。ミネラルウォーターまで(苦笑)!!
どんぐりのモチーフと聖母がついたおもちゃのブレスレットが可愛かったので思わず購入。

 
カメラワークが冴えないわぁ・・(・.・;)
マサパンはかなりリッチで甘いお菓子ですが、日本人の私たちにはなぜかなつかしい味。渋いお茶と合わせて食べたくなってしまいます。「甘い!」と文句言いながらもなぜかまた食べたくなるんです。修道女の作ったもの、他のマサパンと比べ丁寧に作られた味がします。確かに美味しい。

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