2008年6月30日月曜日

6月歌舞伎座2

先週「六月大歌舞伎」夜の部に行ってきました。

楽しみにしていたのは[幡随長平衛]。
旗本奴というのは江戸の暴れん坊だったそうで、
男伊達を競い、ケンカに博打に明け暮れていたそうです。その中でも水野十郎左衛門というのは相当に悪い奴だったらしい。
旗本奴に対抗していたのが町奴。その親分が長兵衛。江戸の町を荒す暴虐行為に対抗し水野と激しく対立します。が、最後には水野の策略で長平衛は殺害されてしまう。という事実に基づいた狂言なんです。

黙阿弥の作品であるこの演目。リズミカルな七五調の台詞がとっても快く、江戸言葉のやりとりもなんとも粋で小気味よいものです。親分と若い衆の場に釘付け。いなせな男気。いやもう格好良すぎる。

吉右衛門さんの親分。仁左衛門さんの水野(実に悪いお役ですが)。このお二方の場面ではどちらを見たら良いのか幸せな悩み勃発でした。



親分が水野に殺される口惜しい場面です。

染五郎さんの御子息金太郎ちゃんの初舞台「連獅子」もとても華やかで美しい舞台でした。まだ4歳なのに大変だなぁ~と思いつつも将来は粋な江戸弁をしかと受け継いで。。なんて勝手なことを願いながら、微笑ましく見せて頂きました。

今月も歌舞伎座にて江戸時代にタイムトリップ。楽しかったなぁ。

2008年3月13日木曜日

2月の「ふだん着のスペイン料理」から


2月の「ふだん着のスペイン料理」は
ガリシア地方の料理でした。

大西洋に面し、深い入り江が入り組んだ地形から
多種多様な魚介に恵まれ、魚介の宝庫といわれています。たこにカニに海老。そして帆立などの貝類。
がリシアの魚介料理はピカイチです。

そしてまた、代表的なお料理と言えばガリシア風パイ、エンパナーダなど興味深い料理が色々とあります。

今回はそんな中でも家庭的な冬の煮込みを中心にメニューをご紹介しました。

��牡蠣のエスカベチェ
ニンニク、ハーブ風味の酢漬けです。サラダ仕立てで。

��カルド・ガジェゴ
ガリシア風の具沢山のスープは主役級。白インゲン豆、カブの葉、じゃがいも、豚肉とたっぷり入っています。

��タコのご飯
ガリシアといえばタコ!タコとピーマン、トマトで炊き上げたご飯です。

��タルタ・デ・サンティアゴ
ガリシアのサンティアゴ・デ・コンポステーラは12使徒の1人サンティアゴ(聖ヤコブ)が埋葬されているとされ、キリスト教の聖地となっています。そのサンティアゴの名前がついているスペインを代表するケーキです。
粉を使わずアーモンドパウダーと卵で作るシンプルなケーキは表面の十字架の模様がトレードマークです。

追って3月のメニューもアップします。

2008年2月16日土曜日

ボルベール(帰郷)と料理シーン

昨年上映していたアルモドバル監督の「ボルベール」をDVDで観ました。



始まった瞬間にもうアルモドバル監督の色鮮やかな世界が展開。

そして元気なスペインの女性たちが、しょっぱなから映し出されます。
そこはラ・マンチャのある村の墓地。11月1日のすべての聖人の日でしょうか。
すごい勢いでおばちゃんたちやきれいなお母さん(ペネロペ)家族も
お墓をせっせに磨いています。

主役はペネロペ・クルス。アルモドバル映画のミューズの1人でも

あり、これで3本目の出演となります。
いくら若いお母さん役でもティーンエイジャーの母親役なんて
無理あるんでは、と思いきや、
さすが世界的にビッグになったスペインの珠玉女優だけありますよ。
それにこの映画でスペイン人初のアカデミー賞主演女優賞に
ノミネートされたのですから。
いつでも忙しいそうに動きまわっている元気なスペインの下町の
肝っ玉母さんという感じの雰囲気出てました。。
しかし、とんでもなく綺麗でセクシーなの。。

そんなペネロペ母さん、夫の死体を始末することに。

そしてそんな時、死んだと思っていたお母さんが突然現れる。
実は母と娘、女三代には悲しい秘密が。。という
実はとんでもなく暗い話なのです。それなのにアルモドバル監督のビビットな
色も手伝って、とても明るく力強く前に向かっていく女性の
たくましさが美しく描かれています。

料理シーンもたくさん出てくるのが楽しい。

肉団子に粉をはたいていたり、夕食のトルティージャだったり・・



故郷ラ・マンチャのパウラ伯母さんを訪ね、

みんなでBarquillosを食べるシーン。



バルキージョは小さな船という名前の

小麦粉で作るお菓子。

ここで食べているのは「ラ・マンチャ風バルキージョ」で、オレンジやアニス、白ワインなどの風味をつけた揚げたタイプですね。。




大人数の料理を作ることになったペネ母さんは
市場に買物へ。
スペインらしい美しいトマト。
アルモドバル監督が映画のところどころに
散りばめる「赤」が印象的。

途中で会ったレヒナに豚肉を、イネスから田舎で買って来たばかりというモルシージャ(豚の血ソーセージ)、チョリソ、マンテカード(ポルボロンのようなお菓子)をゆずってもらう。

マンテカードがラ・マンチャ風だから、イネスもラ・マンチャの人かな。

30人に作ったのは

手作りスペイン家庭料理
そう記されてる)
トルティージャとモルシージャ
豚肉(ゆで卵を肩ロースで巻いたもの。オーブンで焼いたのかな??)
サラダ
ラ・マンチャ風マンテカード


イタリアンパセリたっぷり。

スペインでは八百屋さんが無料でくれることが多い、スペイン料理には1番馴染みの深いハーブなのです。
素焼きの器も可愛い。
ペネさん、料理上手に見える。




お葬式の時に、アグスティーナとソーレが2人で話すシーン。

テーブルには「コシード」が用意され、アグスティーナがコシードのスープをサーブする。




赤ピーマンを刻むペネさん。

スペインを代表する食材を色鮮やかに見せてくれる。


料理する女性の姿がいくつも出てきます。

この映画、題名「ボルベール」のとおり、田舎への帰郷からはじまり、
最後には母への帰郷で締めくくられます。

「オール・アバウト・マイマザー」も好きだけど、この映画も好きだなぁ。
アルモドバル映画は女性にやさしい。
後味良く、余韻がいつまでも残る作品でした。

またこの歌がいいな。
アルモドバル監督の映画はほとんどが、
挿入歌やらエンドロールで流れる曲が観終わっても頭から離れない。
















2008年2月10日日曜日

北斎漫画


江戸東京博物館に「北斎漫画展」を観に行きました。

「漫画」とはコミックではなく、「漫然」ととりとめもなく筆の趣くままに。。という意があるそう。

いやはや、北斎ってすごい。

今にでも絵の人物が動き出しそうなのです。
声だって出して、おしゃべりを始めそうなのです。ひとつひとつが生き生きとして、愛嬌たっぷり。思わずこちらも顔がほころんでしまいます。

人間や動物のちょっとした仕草や動きに、
はっとすることがあります。
それはきれいだったり、可愛かったり、おもしろかったり。。一瞬のことだから、カメラに収めるのだってなかなか難しい。そんな一瞬を見事にとらえて絵にしてしまってる。

想像の絵もまたおもしろい。
河童や天狗も生きてるみたいだし、
ねずみが人間みたいに暮らしてる絵も
実におもしろいんです。
描いてた北斎も楽しかっただろうな。。

すんなりと心地よく受け入れちゃった絵も
よくよく見ると、素晴らしく丁寧に描かれています。そのうえ、遊び心もちらほらと見えるから、なんとまあ微笑ましいこと。

北斎という人は、人生50年の江戸時代において、なんと、90歳で亡くなるまで現役で絵を描き、それがまたとんでもない数の絵を描いたそうなんです。

私はピカソがとても好きなんですが、
ピカソもまた92歳で人生を全うするまで
沢山の作品を残した人です。
そのピカソ、北斎には大層影響されたそうなのです。初めて北斎の絵を観た時はそれはもう感激したそうですし、北斎が「画狂老人」と自称していたのを真似たとか。。う~~ん。。興味深い。

2008年1月24日木曜日

バスク料理


青山のブノワでランチを頂きました。

スペインバスクから国境を越え
すぐにあるフランスバスクの可愛らしい町、
サン・ジャン・ド・リュズ。
そこに昨年オーベルジュを開いたというセドリック・ベシャドが作った料理がお目当てです。

全体的にやさしい味わい。
一皿目にはポーチドエッグのジェレ寄せ。
ジェレの緑はピーマン?添えられたソースは赤いので赤ピーマンやトマト?
名前にもあったけれど、ピペラードをアレンジしたもののよう。ピペラードはバスクのベーシックな料理です。玉ねぎにトマトにピーマン、にんにくで作る野菜の煮込み。ジュレとソースを混ぜ合わせた時にピペラードの味になるという感じでしょうか。ポーチドエッグを加えたり、玉ねぎの甘さがきいたかりかりのパンを添えて食べるところは私の大好きな食べ方!形変われど、オーソドックスなバスク料理が基本なんですね。

シェフがテーブルに直接挨拶に来ました。
こざっぱりとした風情の好青年風。
この人の雰囲気にあったお料理でした。

いただいたパンフレットで見ると、
そのバスクのオーベルジュ。17世紀の農家を改装したそうです。丘にそっと佇むバスク風建物。さぞ窓から望む山間の風景は気持ちが和らぐ事だろうな。。次にバスクに行った時にはぜひ行きたい。

2008年1月19日土曜日

うれしや、楽しや。


おととしからすっかり歌舞伎にぞっこんです。。
まあ、こんなにも生活の中にくっきりとパートを占めることになろうとは。。

今年の観劇初めは国立劇場。
��日には歌舞伎座初め。

観劇仲間の菅原ちゃんは素敵な着物姿!
仕事の時も遊びの時もパンツスタイルしか
見たことのない彼女。なんて女っぽいこと!
「あ~やっぱり私も着物着る~~!」

自慢ですが、着付けのお免状もある私。
いや、全然自慢にはなりません。
今着れないではないですか。。
何十年も自分で着ていない!!
ということで、今年は練習を重ね、
暑くならないうちに着物を着るというのが
今年の目標の一つとなったのでした。。



先日、頂いた、榮太樓の梅ぼ志飴と黒飴

おばあちゃんの家に行くと必ずあって、
もらって食べたっけ。。と小さな頃を思い出す懐かしい味、江戸の頃からあったのですね。頂いたものは創業150周年の特別セット。缶の写真は今月歌舞伎座で楽しませて頂いたばかりの成田屋さんの助六です。

また箱には定式幕のデザインがされていて粋!
早速、チケット入れにしました。
それにしても。。箱や缶ってなんてワクワクするんでしょう。

2008年1月15日火曜日

毎日つまむ。。食べる。。浅漬け


好きな食べ物は数々あれど、千枚漬けが大好き。

自分で作る千枚漬けもどき。。そう呼んでいますが、浅漬け。。年がら年中作っては自分でも良く飽きないと思うほど欠かしません。



かぶと大根を包丁で薄く切って、まずは塩をふって漬けます。沢山食べてしまうので、塩分はあくまで控えめにしています。

しんなりとしたらみりんと米酢でさらに漬けますが、もうこれだけ。
あれば昆布を入れたり、赤唐辛子を入れたり、ユズの皮や、みょうがや、キャベツや、人参や、思いついたままの+アルファも常々。



お腹がすいてる時、ついついつまむし、お茶請けに、ワインやお酒に合わせたり、もちろんもちろんご飯にも。