始まった瞬間にもうアルモドバル監督の色鮮やかな世界が展開。
そして元気なスペインの女性たちが、しょっぱなから映し出されます。
そこはラ・マンチャのある村の墓地。11月1日のすべての聖人の日でしょうか。
すごい勢いでおばちゃんたちやきれいなお母さん(ペネロペ)家族も
お墓をせっせに磨いています。
主役はペネロペ・クルス。アルモドバル映画のミューズの1人でも
あり、これで3本目の出演となります。
いくら若いお母さん役でもティーンエイジャーの母親役なんて
無理あるんでは、と思いきや、
さすが世界的にビッグになったスペインの珠玉女優だけありますよ。
それにこの映画でスペイン人初のアカデミー賞主演女優賞に
ノミネートされたのですから。
いつでも忙しいそうに動きまわっている元気なスペインの下町の
肝っ玉母さんという感じの雰囲気出てました。。
しかし、とんでもなく綺麗でセクシーなの。。
そんなペネロペ母さん、夫の死体を始末することに。
そしてそんな時、死んだと思っていたお母さんが突然現れる。
実は母と娘、女三代には悲しい秘密が。。という
実はとんでもなく暗い話なのです。それなのにアルモドバル監督のビビットな
色も手伝って、とても明るく力強く前に向かっていく女性の
たくましさが美しく描かれています。
料理シーンもたくさん出てくるのが楽しい。
肉団子に粉をはたいていたり、夕食のトルティージャだったり・・
故郷ラ・マンチャのパウラ伯母さんを訪ね、
みんなでBarquillosを食べるシーン。
バルキージョは小さな船という名前の
小麦粉で作るお菓子。
ここで食べているのは「ラ・マンチャ風バルキージョ」で、オレンジやアニス、白ワインなどの風味をつけた揚げたタイプですね。。
大人数の料理を作ることになったペネ母さんは市場に買物へ。
スペインらしい美しいトマト。
アルモドバル監督が映画のところどころに
散りばめる「赤」が印象的。
途中で会ったレヒナに豚肉を、イネスから田舎で買って来たばかりというモルシージャ(豚の血ソーセージ)、チョリソ、マンテカード(ポルボロンのようなお菓子)をゆずってもらう。
マンテカードがラ・マンチャ風だから、イネスもラ・マンチャの人かな。
30人に作ったのは
手作りスペイン家庭料理
(そう記されてる)
トルティージャとモルシージャ
豚肉(ゆで卵を肩ロースで巻いたもの。オーブンで焼いたのかな??)
サラダ
ラ・マンチャ風マンテカード
イタリアンパセリたっぷり。
スペインでは八百屋さんが無料でくれることが多い、スペイン料理には1番馴染みの深いハーブなのです。
素焼きの器も可愛い。
ペネさん、料理上手に見える。
お葬式の時に、アグスティーナとソーレが2人で話すシーン。
テーブルには「コシード」が用意され、アグスティーナがコシードのスープをサーブする。
赤ピーマンを刻むペネさん。
スペインを代表する食材を色鮮やかに見せてくれる。
料理する女性の姿がいくつも出てきます。
この映画、題名「ボルベール」のとおり、田舎への帰郷からはじまり、
最後には母への帰郷で締めくくられます。
「オール・アバウト・マイマザー」も好きだけど、この映画も好きだなぁ。
アルモドバル映画は女性にやさしい。
後味良く、余韻がいつまでも残る作品でした。
またこの歌がいいな。
アルモドバル監督の映画はほとんどが、
挿入歌やらエンドロールで流れる曲が観終わっても頭から離れない。
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