2009年10月13日火曜日

マルガリータ王女

国立新美術館の「THEハプスブルク」展を観に行ってきました。ハプスブルク家にゆかりのある画家たちの絵画や王家の工芸品が展示されています。




この美術館、ライトアップするととっても綺麗だそう。

ハプスブルク家の歴代の皇帝、王達から多くの芸術家が恩顧を受けていました。ベラスケスもその1人です。スペインのフェリッペ4世がベラスケスを宮廷画家として庇護したことはスペインの、世界の美術史に大きな業績を残しました。



ベラスケスの「白い服の王女マルガリータ」。
前に少し触れましたフェリッペ4世の愛娘マルガリータです。「ラス・メニーナス」で描かれたドレスと同じですね。違うのはふわふわとした髪がくるくると綺麗に巻かれているところ。この頃のマルガリータはとても愛らしい。5歳の時だそうです。

マルガリータとレオポルト1世の政略結婚によりスペインとオーストリアの同盟が結ばれます。これは結婚前に皇帝に贈られたいわばお見合い写真だそうです。同様に贈られたという3歳(くらい)と15歳のベラスケスの絵がウィーン美術史美術館に所蔵されています。今回は来ていませんが、ベラスケスが描いた小さなマルガリータはそれは可愛らしいんです。

15歳で嫁いだマルガリータとレオポルト皇帝とは11歳の年齢差がありましたが、音楽や演劇などの趣味を共に楽しみ、マルガリータは皇帝に愛され幸せな生活をおくったそうです。ところが21歳(22歳といわれてますが、計算すると21だと思うのですが・・)でその短かった人生を閉じてしまいます。その時の皇帝の嘆きは大変なものだったといわれています。



��歳下の弟、フェリッペ王子です。絵は2歳の頃のようです。きれいなドレスを着た王子は女の子のように可愛らしい。椅子に右手をかけているのが身体が弱かったことを示しています。ところどころにはお守り、そしてどこにいるかを知らす鈴もつけています。いずれも身体の弱い王子を思ってのものばかり。エプロンもそんな意味合いがあるそうです。が、願いもむなしく、4歳のお誕生日を迎える前に亡くなってしまいます。はかない命の王子に悲哀を感じぜずにはいられません。

黒をベースに一見重々しく感じるベラスケスの絵ですが、黒によって引き出される他の色の対極、特に白や赤が鮮烈で美しい。近くで見ると雑に描かれてるとさえ思えるドレスのひだやレース、光沢が遠くから見るとまるで動きだしそうに見えるその技術の素晴らしさ・・私のようなものが今さら言うのもおこがましいですね。。。そしてただの肖像画では終わらない、その人物が語りそうな、他の肖像画とは何か異なった魅力を感じてしまいます。

調度この2枚の絵の前にベンチがあり、座ってゆっくりと観ることができるんです。実はこのマルガリータとは25年ぶり・・うれしい再会でした。

「THE ハプスブルク」国立新美術館 
2009年12月14日まで

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