2012年5月31日木曜日

「修道院のお菓子」発売されました!

 「修道院のお菓子・・スペイン修道女のレシピ・・」(天然生活ブックス:地球丸)が発売になりました。

修道院のお菓子、と言ってもいったいどんなものなのか、なんだかぴんときませんよね。
素朴で作り方もシンプルで、でもなんだかなつかしい味わいでおいしい。それにはこんな由来があり、現代に至っているからなのです。


中世の頃、大きなかまどを持っているのはお城と修道院だけでした。当時一般市民には遠い存在だったお砂糖も、そして卵や小麦粉、乳製品などにこと欠かなかったのです。大航海時代、黄金時代、とその歴史的背景もあり、修道院ではお菓子作りに適した環境が整っていました。

そしてまた、王侯貴族の影響はもちろん、レコンキスタによって改宗したイスラム教徒、ユダヤ教徒たちの影響を受けざるを得ない環境にあった修道院。それはお菓子作りにも大いに反映され、お菓子をどんどんと進化させていったのです。

主に奉納や寄付、王侯貴族の行事などにお菓子作りがされていましたが、それは決してきらびやかなものではなく、当時贅沢とされていたお砂糖や卵を使ったもの。試行錯誤され作られたお菓子はたいそうおいしかったことでしょう。その味には王家の人々さえ感嘆したと言います。

修道院のレシピはその頃から、修道女から修道女たちに口伝えと実践で伝授されながら長い間、各修道院で秘伝のレシピとして守られてきました。

現代では、その当時とは違い教会の維持が難しくなってきたこともあり、お菓子作りが盛んな修道院ではお菓子を外部にも販売するようになり、私たちもその味を楽しむ事ができるようになりました。スペインではおいしいお菓子の代名詞として、中世からそして今でも愛されているのです。



修道院のお菓子、実はいろいろなお菓子の原点だったりします。ほとんど変ることなく、ま、ふつうだったらおしゃれになっていくところが、地味~で素朴なまま残っているのが、スペインの修道院。それがまた愛らしく感じてしまいます。

そんなお菓子をこの本では小さなお話を添えながら紹介していきます。

そしてなによりもお伝えしたいのは、そのシンプルな材料と作り方、口に含んだ時のなつかしさ、かみしめた時の深い味わい。家庭で作るのは素朴でやさしい、こんなお菓子が良いと思うのです。

ぜひ、楽しんで下さいね!

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